キョンナムのおしゃべり箱

9月29日 

 昨日の中秋の名月、十五夜だったが、あいにくの曇り空。それでも雲の合間から小さな満月が顔を出し、しばし幸せな気分になった。

大好きな秋の到来だが、秋は長雨と台風の季節でもある。台風21号が列島を縦断中。関東は明朝通過とのこと。

 9月も明日で終わり。「おしゃべり箱」、間隔が空いてしまったけれど(根気強く覗いてくださってるみなさん、ありがとうございます)、9月を締めくくる話を。

 まず9月1日の「報道ステーション」。打ち合わせで会ったテレビ朝日の30代のディレクターは、よく勉強もしていて誠実な感じの人だった。信頼できると判断し、取材を受けることにした。

 関東大震災で多くの朝鮮人が酷く殺されたが(滋賀県立大学名誉教授の姜徳相ーカンドクサンン先生が青丘文化社から<新版ー関東大震災・虐殺の記憶>という分厚い本を出版されたが、当時の日本の行政側からの資料を丹念に調べて明らかにされている)、横浜・鶴見署に300人もの朝鮮人を保護し、押し寄せた1000人の暴徒から守り抜いた大川常吉さんを番組の特集で取り上げたいという。

 自宅でのインタヴュー、鶴見署前でのコメント、講演会の様子などを撮影。バランスのとれた構成になるようにと、軍隊による虐殺があった、東京・荒川の河川敷(毎年市民によって慰霊祭が行われている場所)などの撮影も提案してみた。ディレクターちゃんと撮りにいってくれ、その他の場所も意欲的に取材を重ねているようだった。

 9月1日の放映を期待と不安で観た。関東大震災から81年目を迎えた約13分ほどの特集である。

 最初に虐殺の映像が流れ、生存している目撃者の証言などがあったものの、全体的にこんないい日本人がいたというニュアンスにまとめられていた。 時間的な制約があってだろうが、私のインタヴュー部分も伝えたかったところはカットされており、河川敷などの映像もなかった。

 司会者とコメンテーターによる最後のコメントも、こういう日本人がいたことを知って欲しいといった結論で結ばれていた。大川さんの存在、行動を通して、何をすくいとることができるのか、いまにどう生かすことができるかという視点がもう少しほしかったと思う。

 ともあれ、9月1日に、関東大震災での朝鮮人虐殺にふれた放送があったということを評価する声が周りから聞こえてきた(期待外れという声もあった)。

 友人がFAXしてくれたが、北海道新聞の読者コーナーに番組を観たらしい21歳の青年が「大切なことを知った」という投書を寄せていた。

 自虐的な内容だという反響も局にはあったという。同時に虐殺の事実を知ったという意見もあったそうだ。伝えることの難しさと責任を痛感する。特にテレビは難しい。明日も9月の話をもう少し。

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