▼ 本

  オススメ図書のご紹介。不登校に関する図書、子育ての参考図書、行き詰っている方・悩みを抱えている方に読んでみて欲しい小説など。
 面白い本、つまらない本、共感できる本、いまいちしっくりこない本・・・ 一冊の本をとっても感じ方は十人十色ではありますが、良いなと感じた本、参考になった本を少しご紹介させていただきます。 本探しの足がかりになれば幸いです。

不登校関連図書・参考図書


タイトル『翼ひろげる子』
著者明橋 大二出版社1万年堂出版
出版年2003年(単行本)

 「子どもの生きる場所は、家庭、学校、友達の3つ。 そのどれか1つでも自分のことを受け止めてもらえるならば、子どもは生きていける。」 子どもにいろんな症状が起きたり、子どもの力が生かされない原因。それは、「誰それが悪い」ではなく、お互いの間のパイプ詰まり。 パイプ詰まりを解消し、安心するには―――。

 子どものSOSの受け止め方、子育てのポイントを分かりやすく教えてくれ、子どもに関するQ&Aも具体的で参考になります。 カラフル且つ字が大きめで、とても読みやすい本です。 前作の『輝ける子』『思春期にがんばってる子』と3冊合わせてどうぞ。

【明橋 大二】
 1959年大阪府生まれ。精神科医・カウンセラー。

タイトル『心配しないで不登校―ぼくの見つけた生き方』
著者渡辺 広史・田中 健一・石井 志昂・奥地 圭子出版社講談社
出版年2001年(単行本)

 学校に行きたい、でも行けない。どうしたらいいの?苦しむ本人、両親、先生へ。体験者からの本音メッセージ。

 不登校や引きこもりで苦しんでいた三人の少年が、自分らしい生き方を見つけるまでの手記。当事者からのメッセージが盛り沢山です。 彼らが苦しい時、本当に必要としたことは何なのか、しっかりと彼らの気持ちを受け止めながら読み進めてみてください。

【奥地 圭子】
 1941年生まれ。公立小学校教師を経て、1985年にフリースクール「東京シューレ」を開設。その他著書に『東京シューレ子どもとつくる20年の物語』『不登校という生き方―教育の多様化と子どもの権利』など。 著者自身、我が子の不登校を経験。登校拒否を考える全国ネットワークや全国不登校新聞社の立ち上げ、講演活動など、不登校支援に尽力している。

タイトル『あなたはひとりじゃない―悩める母たちへ子供たちへ』
著者大平 光代出版社光文社
出版年2001年(単行本)

 いじめ、虐待、子供の非行、引きこもり、漠とした将来への不安などの悩みに、著者自身の経験をふまえて解答。 『女性自身』連載の「だからあなたの声を聞かせて」の一部にコラムを加えて編集したもの。

 非行に走ってしまった子供たちとそのお母さんに向けてが多いですが、なるほどなぁと思えることもたくさんあります。  特に、大平さんの説く「お母さんがラクになるための十か条」は心に響くのではないでしょうか。

【大平 光代】
 1965年生まれ。弁護士。 中学2年でいじめを苦に自殺を図り、16歳で極道の妻に。その後、現在の養父に出会い立ち直り、司法試験に合格。 その他著書に『だから、あなたも生きぬいて』など。

タイトル『思春期こころのいる場所―精神科外来から見えるもの』
著者青木 省三出版社岩波書店
出版年1996年(単行本)

 不登校、家庭内暴力、拒食症、社会行動ができない・・・そうした思春期の子どもたちは何を訴えているのか。 著者はそれらを病気と決めつける前に、子どもと親や教師との関係を見直し、こころを安らげる関係を求めてきたさまざまな試みを語る。

 思春期の様々な問題に対する基本的な姿勢や、問題解決の糸口を思春期精神科医の立場から教えてくれる本です。 また、医療を利用する時には、子どもの立場に立った対応がどのようなものであるのかよく解り、参考になります。

【青木 省三】
 1952年広島県生まれ。臨床精神医学、とくに思春期青年期を専門としている。

タイトル『育てたように子は育つ―相田みつをいのちのことば』
著者相田みつを・佐々木 正美出版社小学館
出版年1999年(単行本)

 いじめ・登校拒否・家庭内暴力・幼児虐待…。世の中、どこかおかしい。みんなが周囲を見て、大急ぎ。でも、人には成長する時間が必要なのです。 お父さん、お母さん、そんなにあわてて走らずに、一休みして下さい。この本は、親も子もともに育つための、心の休憩室です―――。相田みつをの書と児童精神科医が語る子育ての本。

 相田氏が残した書から精選した20篇に、佐々木氏の短いエッセイと実際の臨床例が添えられています。 あるがままの子どもを愛すること―――相田氏の優しく力強いことばが心に沁みます。 日々に追われてつい忘れがちな、しかし忘れてはならない子育ての大原則を教えてくれる本です。

【佐々木 正美】
 1935年生まれ。精神科医。川崎医療福祉大学特任教授、横浜市総合リハビリテーションセンター参与。 その他著書に『子どもへのまなざし』『自閉症のすべてがわかる本 』『抱きしめよう、わが子のぜんぶ―思春期に向けて、いちばん大切なこと』など。子育てや自閉症に関する本を数多く出している。

小説


タイトル『卒業』
著者重松 清出版社新潮社
出版年2004年(単行本)2006年(文庫)

 悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた短編集。 「まゆみのマーチ」「あおげば尊し」「卒業」「追伸」の四編。 家族とは、愛情とは何かを優しく心に届けてくれます。

 なかでもオススメなのが「まゆみのマーチ」です。 子どもをありのままに受け入れ、温かく包み込む母親が強く印象に残りました。 親としてもっと強くありたいと思わされるのではないでしょうか。

【重松 清】
 1963年岡山県生まれ。'91年『ビフォア・ラン』でデビュー。 '99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。 '01年『ビタミンF』で直木賞を受賞。 その他著書に『その日のまえに』『流星ワゴン』『小さき者へ』『きよしこ』など。

タイトル『きみの友だち』
著者重松 清出版社新潮社
出版年2005年(単行本)

 友だち? 他人だよ、そんなの。でも特別な他人。うっとうしくて、面倒くさくて、ややこしくて。だから大切な他人。 嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから「友だち」の意味がわかった―――。珠玉の連作短編小説。

 とある語り手がストーリーを綴っていき、章ごとに異なる主人公たちは「きみ」と呼ばれています。
 事故にあってから誰とも付き合わなくなった恵美は、同じくひとりぼっちだったのんびり屋の由香ちゃんといつしか一緒にいるようになります。 そんな恵美を中心に、痛みや喪失を乗りこえてたどり着いた本当の「友だち」という存在を細やかに描いています。
 友だちって何だろうと考えるヒントをくれる一冊です。皆さんも一緒に「もこもこ雲」を探しに行きませんか?

タイトル『ハッピーバースデー 命かがやく瞬間』
著者青木 和雄出版社金の星社
出版年1997年(単行本)2003年(文庫)

 「おまえ、生まれてこなきゃよかったよな。」11歳の誕生日、ママと兄の一言から、声が出なくなってしまったあすか。 祖父母の愛と自然の中で回復し、あすかは強く変わっていく―――。

 声を失くしたあすか。娘を愛せないママ。親の期待通りに生きてきた兄。それぞれが抱える心の問題に向き合っていく様子を描いています。 「命って、生きるって、何ですか・・・」人生の疑問をやさしく問いかける児童書。 コミック本や、母・静代の目線から描く『ハッピーバースデー』もあります。

【青木 和雄】
 1930年生まれ。元小学校長、教育カウンセラー。 その他著書にいじめをテーマにした『ハートボイス いつか翔べる日 』『ハードル 真実と勇気の間で』など。

タイトル『カラフル』
著者森 絵都出版社理論社
出版年1998年(単行本)

 天使がぼくに言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」 ・・・気がつくと、ぼくは小林真だった。 死んだはずの魂が、前世の記憶もないまま、他人の体を借りて下界に再挑戦することに―――。

 真っ白な心で世の中を見渡してみると、いままで見えていなかったものが見えてくるものです。 家族関係や友人関係(+おかしな天使)を交えつつ、少年の心の機微、葛藤、そして成長を描いたハートウォーミング・コメディ。

【森 絵都】
 1968年東京生まれ。'91年『リズム』でデビュー。 '06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞。 その他著書に『DIVE!!』『永遠の出口』など。