◆ ◆ ◆  不動産業者とエスクロー制度  ◆ ◆ ◆

立ち会い責任は不動産業の伝統? 書込日2005.04.29

 

 

 ”立会人が責任を取るのは日本の不動産業の伝統か?”というテーマがあります。

 このテーマはとても重要な事柄です。

 なぜならば、アメリカにおいては、このような”立会人が責任を取る”という

 ”商習慣”がないからです。では、誰が責任を取るのかと言うと、

 ”誰も責任は取らない”。だから、”買主が自己責任”で不動産を購入する。

 そのために、買主は、有料の各専門検査機関を活用する。

 専門調査機関は徹底した調査を実施し、調査権限も持っているから安心である。

 大統領の個人収入までも調査が出来る。

 しかし、日本において、このような”買主が自己責任で

 不動産を購入する”という不動産取引を”提唱”するならば、

 その企業は、消費者から一斉に攻撃されることでしょう。

 この当たり前になっている”商習慣”・・・実は、アメリカでは当たり前ではない。

 したがって、”アメリカのエスクロー制度”は、

 このような商習慣の違いの上に存在している。

 日本版エスクローとはどのようなものなのか?を考えるときに、

 この”商習慣”の検証をする必要があるでしょう。

 なぜゆえに、”買主の自己責任”ではいけないのか?と。

 それには、はっきりした解答があります。買主の自己責任を認めるなら、

 誰が責任を取るのか?という質問が出る。

 それは”不動産業者である”という答えがある。

 ならば、その”不動産業者は信用出来るのか?”という質問が出る。

 ”いや、不動産業者は信用出来ない”と言う。

 なぜ、信用出来ないのか?というと、

 ”不動産やはあてにならないから”、”調査権限は全然ないから”と言う。

 つまり、日本の”商習慣”において、問題にされなければならないことは、

 不動産業者の社会的信用度であり、社会的地位が低い、ということに尽きる。

 そして、”調査権限がない”ことにこそ問題を見なければなりませんね。

 不動産業者の社会的地位の向上のためには、

 アメリカのように、”全ての不動産営業マンはエージェント資格を持っている”という

 制度にすればよい。そして、大統領の個人収入までも調査出来る権限とまではいかなくとも、

 行政機関は、「業者が不動産取引に添付する資料のために

 調査に来ていることがわかれば行政が積極的に協力する」という、

 ”行政調査制度”を確立すればよい。

 これは、「弁護士などに対しては、行政は協力する」という対応を、

 行政は実際はしていますので、国交省がその気になれば可能なことです。

 要は、”立会人が責任を取る”という言葉の裏には、

 ”買主の自己責任”に出来ない”不動産業者の社会的信頼度が低い”という

 社会状況があるということです。

 もちろん、消費者のリスクマネージが可能な”専門検査機関”による

 ”リスクの細分化”が充実することも必要ですね。

 これには相当な時間が必要ですが、

 いつかは”不動産業者の社会的信頼度”が高くなるでしょう。

 それまでは、”買主の自己責任論”は”禁句”ですね。

 したがって、日本版エスクローはこのような状況下で実施することになりますね。

 

 

 

 

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