| <売買重要事項説明書編 145話 >
自殺や殺人のあった不動産の売主の説明義務をめぐる紛争は、
特段の基準が定めらることがないため、トラブルは多いですね!
「20年前の殺人事件と言えども、建物が解体された後であっても、
風評は残るので、5%の損害は認定できる」等の大阪西成の判決!
本来、売主は、民法第1条の信義則に基づいて、売買契約締結を
した瞬間に、「契約上の付随義務としての売主の説明義務を負う」と
されています。
この説明義務のうち、状況により、扱いが二つに分かれる。
一つは、売主・買主が互いに知りえなかった事実である場合に、
「隠れたる瑕疵」として、債務不履行責任が問われる。
二つは、「売主が知りて告げざりしこと」は、瑕疵担保責任から
除外され、「不法行為責任」として、債務不履行責任が問われる。
一番目は、10年の時効があり、2番目は、20年の時効がある。
また、一番目では、「瑕疵担保責任は債権なので、当事者による
特約合意は有効」と判決されている。
そうすると、「不法行為責任による債務不履行責任」も、債権であるため、
「当事者による特約合意は有効」と、される可能性がある。
このようなことから、「土地建物の利用履歴」については、
「過去10年以内の自殺・事故等の内の陰惨なものに限って
売主は説明義務を負う」という「取引当事者の特約は有効」と
される可能性がある。
これらの二つの場合、いずれも、「当事者の合意する特約は有効」と
されたとしても、「民法の信義則に反しない程度」に限定される。
問題は、「売主が説明義務を負う」というときの、「内容と期間についての
合意のしかた」にある可能性がある。
したがって、「10年間」とした場合や、「陰惨な自殺や殺人事件に限る」と
合意した場合に、「この特約が有効とされ、さらに、その事件に適用されるか」ということが
問われることになるだろう。
おそらく、「5年間」とした場合は、「信義則」の観点から、「買主が
一方的に不利」となる可能性がある。
また、「陰惨な事故や事件」という抽象的表現では、解釈をめぐっての
紛争の争点が増えてしまうでしょう。
「殺人・焼死・爆死・割腹・飛降り・縊死による死亡」は悲惨な事件と言えるし、
「服毒・ガス吸引による死亡」は、身体はむしろきれいですね。
特約合意を考える場合、より具体的な死亡原因を明確にする研究作業が
必要かもしれない。
原則的には、「売主が契約上の付随義務である説明義務の
範囲と期間」について、「特約合意」はあり得る、と考えることは
できないだろうか?という、私の提言です。
<上記の特約合意が有効か無効かの判断に影響を与える条文>
(担保責任を負わない旨の特約)
第五百七十二条
売主は、第五百六十条から前条までの規定による
担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、
知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために
設定し又は第三者に譲り渡した権利については、
その責任を免れることができない。
この考えは、全く、私個人の私見ですので、法曹関係者間で
議論していただきたいところですね。
実は、この問題が、宅建業法のグレーゾーンに残された
重大な問題、ということです。
2012年6月13日、宅建業法施行令改正施行!
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