フィリピンパラワン島1998

熱帯雨林中での野営や珍しい植物の写真が満載(23枚)です。  →ホーム

ここで簡単なスライドの説明を致します。
パラワン州都プエルトプリンセサの海岸沿いには昔ながらの海上住宅街がある。この集落はBaranguay seasideと呼ばれているが、観光客には珍しい光景にもかかわらずガイドブックにも紹介されていない。昼間であれば治安も悪くはない。
熱帯雨林は現在急速に地球上から消失しつつあるが、もっとも豊かな生物多様性をもち遺伝資源の宝庫といわれている。熱帯雨林は日本には存在しないので、それを知る人はほとんどいないであろう。これはフィリピンパラワン島の熱帯雨林を山頂から見たものである。
熱帯雨林の植物調査のためベースキャンプを設営しているところ。ここは世界遺産登録されている「地底川国立公園」へのゲートウェイとして知られるサバンから船で2時間のところにあるマルピナスより徒歩で6時間のところにあり、地上からのアクセスルートはない。人里から離れた熱帯雨林での調査はこのような野営が必須で、そのためにポーターなどの人足も必要である。ここでは総勢20名の大所帯であった。
パラワン島中部のクレオパトラニードルズ山麓の熱帯雨林において植物調査をしているところ。高枝鋏を持参しているが、高木が多いためあまり役にたたなかった。鬱蒼とした熱帯雨林内での調査は重労働であり、またマラリアなど熱帯性感染症のリスクも高い。
熱帯雨林における調査風景。熱帯雨林は生物多様性が高いといわれるが一見して納得できる。一定の区画を設定しそこに生育する植物種をしらみつぶしに調査する。ここでは木に登ってサンプルを採集している(写真はそれを見上げている)が、林冠部まではとても届かない。
熱帯雨林の中にて。沢筋の湿地帯であるが、大半の人の抱く熱帯雨林のイメージはこんなものであろう。猛毒のヘビが木の上から落ちてきて肝を冷やすこともしばしばである。ヘビに限らず様々な動物が集まるところで、マラリア媒介蚊の多いところでもある。
熱帯雨林では高木、小高木、低木とそれにリアナと呼ばれるツル性植物が階層状に複雑な生態系を構築している。一方で地面には草本がほとんど見られず、樹上に着生するのが普通である。
調査地点の移動途中。もっと深い川を渡ることもしばしばある。雨季では増水で川を渡ることが困難なため、通例、乾季に調査を行う。また乾季のほうがマラリアなどの感染リスクが低い。
奥深い熱帯雨林に入るにはこのような光景もごく日常的である。この車はフィリピンでジープニーと呼ばれているものだが、調査研究のためレンタルしたもの。タイヤが砂利に空回りして悪戦苦闘しているところで、結局、抜け出るのに2時間かかった。
プエルトプリンセサから車で4時間のタナバグから更に5時間のジャングルトレッキングを経てやっとパラワン島原住部族バタック族の居住区に到達する。山中深いところに集落をつくり、焼畑農業や狩猟で生活する。数年で他地区へ移住する。ここは移住して間もないので建設途上で雑然としている。
バタック族の母子。子供の世話をしながら洗濯をしている母親の姿が微笑ましい。最近、行政当局から定住を迫られており、多くは熱帯雨林内の集落を離れ普通の生活をするようになり、このような伝統的な部族社会は消滅の危機に瀕している。
バタック族の指導者とのスナップ写真。薬用植物に対する知識を持ち合わせており、いわば村医といっていい。左奥に見える少年は村を離れた家族の一員で親族を訪問に来たという。完全に同化しており、原住部族社会は崩壊寸前といってよい。
タナバグのバタック族居住区にて。これはバタック族が樹皮を薬用に用いたなごりである。このように原住民族は必要な薬物を随時自然界から調達する。しかしここまで植物を痛めつけると生育しつづけるのは困難であろう。
バタック族の若い母親。かろうじて写真は撮らせてもらえたが、視線をそらし、赤ん坊を堅くガードしている。この母親は明らかに観光客ずれしていないので伝統的価値観に基づいて生活しているようだ。移動生活をする部族の中でも時折集落を抜け出して外の空気に触れて戻ってくるのが多いといい、特に男子に顕著である。
バタック族老女による伝統工芸。集落の周辺には竹類が多く野生し、それを利用した工芸品が多い。ただし、これは日用品でありお土産物ではないが、時折プエルトプリンセサから買い付けにくる商人がおり外国人観光客にお土産として売りつけている。
パラワン島イラワンの熱帯雨林保護林にて。ヤシ科ツル性木本であるトウヅル属(Calamus sp.)の一種。全長100メートルを越すものもあるという。棘のある表皮を取り去って高級家具トウの材料とする。熱帯雨林が保全されているといわれるパラワン島でも大きな個体は見つけるのが困難になっている。
フィリピンパラワン州イラワンにて。ここは熱帯雨林から採集した高級家具の原材料となるラタン(籐)の集積地となっている。しかし、これらは保護林であるはずの熱帯雨林から不法に採集されたものである。
フィリピンパラワン島イラワンにて撮影。この花は植物学的にはクサギの仲間である。人の手の加わった林縁部に多く生える。
フィリピンパラワン島タナバグにて撮影。最近、健康茶として人気の高いバナバ茶の原料植物だがパラワン島では川筋に多く野生する。植物学的にはサルスベリの仲間で、東南アジアに広く分布する。美しい花だが、園芸用に植えることはほとんどないようである。
フィリピンパラワン島にて。高級香水の原料となるイランイランノキ(Cananga odorata)の花。地味な花であるが、この部分から香水の原料となる精油がとれる。
フィリピンパラワン州アボランの朝市風景。ここには地域住民が毎日の生活で用いている薬用、有用植物が集積されており、民族植物学調査においてはこのような伝統的な地域市場の調査は欠かせない。
フィリピンマニラ市キアポにて。ここで売っているのは全形生薬であり、ここで購入した生薬標本は薬用植物園管理棟に所蔵されている。
フィリピンマニラ市内の生薬専門の薬局。ここでは生薬を素材とした製剤を販売している。フィリピン特産のバナバ茶もここで入手することができる。