複合生合成経路について |
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1.シキミ酸と酢酸-マロン酸の複合経路
この経路で生合成される主な二次代謝物として、フラボノイド(flavonoid)やスチルベノイド(stilbenoid)が挙げられる。これらはいずれもシキミ酸経路に由来するp-ヒドロキシケイヒ酸CoA(p-coumaroyl CoA)に3単位のマロニルCoA(malonyl CoA)が結合したcoumaroyl triketide(図1の赤い枠で示したもの)が縮合閉環して生成するものである。coumaroyl triketideの閉環で最初に生成するフラボノイドはカルコン(chalcone)という1,3-ジフェニルプロパノイド(→こちら参照)である。この |
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一方、イソフラボノイドは5-deoxy型フラバノンであるリキリチゲニンを前駆体として、図2に示すように酸化酵素P450による3位の水素の引き抜きで2位のフェニル基の転位反応が起きてイソフラボンが生成する。更にその2位に水酸基が導入され、様々な生合成反応を経てロテノイド(rotenoid)、プテロカルパン(pterocarpan)やクメスタン(coumestan)など4環性イソフラボノイドを含む多様な骨格群が構築される(→こちらを参照)が、その生合成過程の詳細はフラボノイドほど明らかにされていない。イソフラボノイドはフラボノイドに比べて天然における分布はずっと限られている。大半はマメ科ソラマメ亜科に局在し、ごくわずかがアヤメ科アヤメ属などに散見されるにすぎない。しかし、生物活性の観点から見ると注目すべきものが多い。例えば、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)などの牧草を始めとするマメ科植物に比較的広く分布するイソフラボンであるゲニステイン(Genistein)や4滑ツ性のクメステロール(Coumesterol)にはエストロゲン作用が知られており、オーストラリアなど牧畜産業の盛んな地域では家畜の不妊等の被害が出たことこともある。また、マメ科デリスDerris ellipticaの根には4環性イソフラボノイドの一種ロテノン(Rotenone;構造式は図2参照)が含まれ、かって殺虫剤として使われた。ロテノンの殺虫作用はミトコンドリアの呼吸鎖のうち、NADH-CoQレダクターゼ系部位の電子伝達の阻害に基づく呼吸阻害によるものである。また、イソフラボノイドの中にはメディカルピン(Medicarpin;構造式は図2参照)を始めファイトアレキシン(phytoalexin;寄生菌が植物体内に侵入したとき、宿主である植物細胞により生合成される抗菌性物質の総称)が多いのも注目に値する。 |
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スチルベノイドはフラボノイドと同様にp-ヒドロキシケイヒ酸CoA(p-Coumaroyl CoA)に3単位のマロニルCoA(Malonyl CoA)が結合したcoumaroyl triketideが閉環して生合成されるが、図1に示すように閉環様式が異なり、フラボノイドではCoAの結合した末端カルボニルは閉環に加わるが、スチルベノイドでは加わらない。更に、スチルベノイドの生合成では末端カルボニルはカルボン酸として残る場合と、脱炭酸して失われる場合がある。前者の例としてはユキノシタ科アマチャの甘味成分であるフィロズルチン |
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アミノ酸経路を参照。
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