日本人、日本文化と植物
文明、民俗文化と植物
 文明の成立に植物資源の果たした役割は想像以上に大きいものです。植物相、植生が文明の質を決定してきたといってもよいほどです。日本列島の南半分は照葉樹林帯に相当し、東南アジア大陸部山間地から中国揚子江流域を経て日本列島までこの植生ベルトが存在し、照葉樹林文化というべき共通要素の多い文化を育んできました。日本文化の基層にこの南方系文化が深く根ざしていますが、中には誤解も多いようです。ここではこの観点から日本文化を見直してみたいと思います。まず、日本の習俗の原点ともいうべき神社では様々な植物を神事に用いていますので、その起源について説明します。
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万葉の花の語源と民俗文化
 万葉集で詠われている植物は意外と身近なものばかりです。しかもその名前は1200年経た現在とあまり変化はありません。このことは植物が日本人の生活文化に深く根ざしていることを証明しています。中には誤解されているものもありますので、ここで慎重に検証してみたいと思います。
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    春の七草と七草粥について
    以上は拙著「万葉植物文化誌」により詳細に記述してありますのでご覧ください。
万葉の植物総論
 1200年以上前から伝承される万葉集は日本文化の至宝といって過言ではありません。4500首以上という和歌の数だけでなく、そこに詠い込まれた植物種数も160種を越え、これまた諸外国に例のないほど、万葉集中での植物の存在は大きいものです。ここでは植物学の視点も交えて解説します。最近、万葉集が朝鮮語で読めるとか、今までの学校教育で習った万葉集の解釈は間違いだという意見をどこかで聞いたことありませんか?それが事実かどうか日本文学の起源:万葉集をご覧ください。いにしえの奈良の都では古代朝鮮語が通訳なしで通じたという俗説が流布しているようです。本当にそうなら日本語と朝鮮語が非常に近い関係になければなりませんが、それが真実かどうか客観的、科学的視点に立って検証したページ日本語と朝鮮語の類縁性および日本語・朝鮮語の誤解をご覧ください。
    スミレ
    ツバキ
    カシの木
    ムラサキ
    ノイバラ
    サワラビ
    ススキ・オバナ・オギ
    拙著「万葉植物文化誌」の刊行により本コーナーは休止させていただきます。
雑木林と生物多様性
 雑木林ほどぞんざいに扱われてきた森はないでしょう。自然保護派の人々からは人の手が加わったとして自然度の低い価値のない森として、一方、開発派の人々からは何の役にも立たないと蔑まれてきたのですから。雑木林は人との共存によって成立した立派な生態系の一つであり、長い歴史の間に薪炭、建築材、薬用植物、食料を供給してきた貢献は計り知れないものがあります。現在では環境保全の観点から、再びその価値が見直されつつあります。古くから文学で親しまれてきた武蔵野の雑木林について考えてみたいと思います。
生物多様性について
 今日、生物多様性という概念は環境問題などで語られることが多いのですが、一方で、「文明、民俗文化と植物の関わり」という観点からも重要なキーワードです。しかしながら、この概念を正しく理解している人はそれほど多くありません。ここでは、生物多様性とはどんな概念であるのか詳述してみたいと思います。
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