「格言・故事成語」講座(16

 『論語』由来の四字熟語(その16

無信不立 (むしんふりつ)

信無くんば立たず」と訓読します。

 『論語』顔淵にある次の言葉がが出典です。

子貢問政。
子曰、「足食、足兵、民信之矣」。
子貢曰、「必不得已而去、於斯三者何先」。
曰、「去兵」。
子貢曰、「必不得已而去、於斯二者何先」。
曰、「去食。自古皆有死。民
無信不立」。

 
子貢(しこう)(まつりごと)を問ふ。
子曰く、「食を足(た)し、兵を足し、民は之(これ)信にす」と。
子貢曰く、「必ず已(や)むを得ずして去らば、(こ)の三者に於いて何をか先にせん」と。

曰く、「兵を去らん」と。
子貢曰く、「必ず已(や)むを得ずして去らば、(こ)の二者に於いて何をか先にせん」と。
曰く、「食を去らん。(いにしへ)より皆有り。民信無くんば立たず」と。

[口語訳]

子貢が政治の要点についてたずねた。。
(子曰く)、「食料を十分にし、軍備を十分にし、人民に信義を守らせるようにすること
(これが政治の要点である)
」と。
(子貢曰く)、「どうしてもやむを得ない事情によって、(どれかを)捨て去るとしたら、
どれを先にすべきでしょうか
」と。

(曰く)、「軍備を捨て去ろう」と。
(子貢曰く)、「どうしてもやむを得ない事情によって、(どちらかを)捨て去るとしたら、
残った二つのうちで、どれを先にすべきでしょうか
」と。

(曰く)、「食料を捨て去ろう。(食料がなければ、人は死ぬことになるが、
たとえ食料があったとしても)昔から死はすべての人間のまぬがれないところである。
(しかるに)もし人民に信義の心がなかったら、
一日も人間として社会生活を送ってゆくことはできないのである」と。

(『論語』旺文社)



無信不立」(信無くんば立たず)は、政治家がよく座右の銘としています。
古くは、三木武夫元首相、鯨岡兵輔元衆議院副議長が、
また現在では、小泉純一郎首相も座右の銘としているそうです。



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