永訣の朝
けふのうちに |
※ 読みにくい箇所は、言葉と言葉の間に、私の判断で、空欄を入れました。
忙しい月曜の朝、いつものように番組が始まったのですが 私の手は動きが止まってしまいました。 「あめゆじゅとてちてけんじゃ」 そして、それに続く5分近い、朗読。 私の周りの空気が時空を越え、 初めてこの詩に出会った、中学生時代に一気に戻された感じがしました。 番組でも、こんなに長い時間、朗読に割いた詩は、今までありませんでしたね。 私の解説は要りません。野暮になりますから。 どうぞ、声に出してゆっくりよんでみてください。 |
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あめゆじゅとてちてけんじゃ まもなく消える妹の命。外は、霙(みぞれ)が降っているので変に明るい。妹が、熱で渇いた喉を潤そうとして、兄の賢治に「霙を取ってきて」と頼みます。 兄、賢治は「曲がった鉄砲玉のように」庭へ飛び出します。長年、妹と使ってきた、おそろいの茶碗を持って。 |
(Ora Orade Shitori egumo) わたしは、わたしで、ひとりで 逝きます。 |
(うまれで くるたて こんどは こたに わりやの ごとばかりで くるしまなあよに うまれてくる) 今度は、こんなに私のことばかりで、お兄さんが苦しまないように 生まれてくるね。 |
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『永訣の朝』―宮沢賢治挽歌画集 |
宮沢賢治 遠山繁年・画 | |
偕成社 | |
永訣の朝 「あめゆじゅとてちてけんじゃ」 死にゆく日、最愛の兄に、雪を頼んだ妹とし子。 その妹への想いを詠んだ詩です。 他、収録作品は、心象スケッチ『春と修羅』の中から 「無声慟哭」詩群の五篇…「永訣の朝」「松の針」「無声慟哭」「風林」「白い鳥」、 「オホーツク挽歌」詩群の五篇…「青森挽歌」「オホーツク挽歌」「樺太鉄道」「鈴谷平原」「噴火湾(ノクターン)」 作者が『春と修羅』で第二集刊行のために準備していた詩稿から一篇…「薤露青」 あわせて、計十一篇です。 画家・遠山繁年の石版石による本格的なリトグラフ作品十九点を装・挿画としています。 2004.12.13 |
にほんごであそぼふぁんさいと |
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