がってん音頭
2004年夏

昨年の「がってん音頭」に引き続き、この夏はこれで決まり!


がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらぴい

かざぐるま

がらがらぴい

おきゃがれこぼし

おききゃがれ小法師

ゆんべもこぼして 又こぼした

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

たあぷぽぽ

たあぷぽぽ

ちりからちりから つったっぽ

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

たっぽだっぽ一丁だこ

たっぽだっぽ一丁だこ

落ちたら煮てくを きゃあ

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

がらぴい がらがらぴい

うゐ


 歌舞伎「外郎売り(ういろううり)」の中の台詞の中の言葉。台詞全文は以下に掲載しますが、この歌詞は、番組がオリジナルで編集したと思われます。CD化がとても楽しみですね!
 「外郎」とは、名古屋名物のあの「ういろ」とは違うもの。痰を切る薬のことで、それを売る「外郎売り」に変装し、親の敵を討つというお話です。この外郎売りの売り口上が、非常に滑舌良く、早口言葉でもありますので、アナウンサーの練習テキストとして使われるとか。
 私も挑戦してみました。声に出して読むと、とても気持ちが良かったです。
 拙者親方と申すは、御立合の中に御存知の御方も御座りましょうが、御江戸を立って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今は剃髪致して、円斉と名のりまする。
 元朝より大晦日まで御手に入れまする此の薬は昔陳の国の唐人、外郎という人、我が朝へ来たり、帝へ参内の折から、此の薬を深く籠め置き、用ゆる時は一粒ずつ、冠のすき間より取り出す。
 依って其の名を帝より、「透頂香」と賜わる。即ち文字には「頂き、透く、香い」と書いて「とうちんこう」と申す。
 只今は此の薬、殊の外世上に弘まり、方々に偽看板を出し、いや小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは親方円斉ばかり。
 もしやお立合の内に熱海か塔ノ沢へ湯治にお出でなさるるか、又は伊勢御参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。
 お登りならば右の方、お下りなれば左側、八方が八つ棟、表が三つ棟玉堂造り、破風には菊に桐のとうの御紋を御赦免あって、系図正しき薬でござる。
 いや、最前より家名の自慢ばかり申しても、御存じない方には正身の胡椒の丸呑、白川夜船、さらば一粒食べかけて、その気味合をお目にかけましょう。
 先ず此の薬をかように一粒舌の上にのせまして、腹内へ納めますると、いやどうも云えぬわ、胃、心、肺、肝が健やかになりて、薫風咽より来たり、口中微涼を生ずるが如し。
 魚鳥、茸、麺類の食合せ、其の他、万病速効あること神の如し。
 さて此の薬、第一の奇妙には、舌のまわることが銭独楽が裸足で逃げる。
 ひょっと舌がまわり出すと、矢も楯もたまらぬじゃ。
 そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ、アワヤ咽、サタラナ舌に、カ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重、開合さわやかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、盆まめ、盆米、盆ごぼう、摘蓼、摘豆、摘山椒、書写山の社僧正、粉米のなまがみ、粉米のなまがみ、こん粉米のこなまがみ、繻子、ひじゅす、繻子、繻珍、親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、ふる栗の木の古切口。
 雨合羽か、番合羽か、貴様のきゃはんも皮脚絆、我等がきゃはんも皮脚絆、しっかわ袴のしっぽころびを、三針はりなかにちょと縫うて、ぬうてちょっとぶんだせ、かわら撫子、野石竹。
 のら如来、のら如来、三のら如来に六のら如来。
 一寸先のお小仏に、おけつまずきゃるな、細溝にどじょにょろり。
 京の生鱈奈良生真魚鰹、ちょっと四五貫目、お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅で、お茶ちゃっと立ちゃ。
 来るは来るは何が来る、高野の山のおこけら小僧。
 狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。
 武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三武具馬具、合わせてぶぐ、ばぐ、六武具馬具。
 菊、栗、きく、くり、三菊栗、合わせて菊、栗、六菊栗。
 麦、ごみ、むぎ、ごみ、三むぎごみ、合わせてむぎ、ごみ、六むぎごみ。
 あの長押の長薙刀は誰が長薙刀ぞ。
 向うの胡麻がらは、荏のごまがらか、真ごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻。
 
がらぴい、がらぴい風車、おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師、ゆんべもこぼして、又こぼした。
 たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁だこ、落ちたら煮て食お
、煮ても焼いても食われぬものは、五徳、鉄きゅう、かな熊童子に、石熊、石持、虎熊、虎きす、中にも東寺の羅生門には、茨木童子がうで栗五合つかんでおむしゃる、かの頼光のひざもと去らず。
 鮒、きんかん、椎茸、定めてごたんな、そば切り、そうめん、うどんか、愚鈍な小新発知、小棚の、小下の、小桶に、こ味噌が、こ有るぞ、小杓子、こ持って、こすくって、こよこせ。
 おっと合点だ、心得たんぼ の川崎、神奈川、程ヶ谷、戸塚は、走って行けば、やいとを摺りむく。
 三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々、相州小田原とうちん香、隠れござらぬ貴賤群衆の花のお江戸の花ういろう、あれ、あの花を見てお心をおやわらぎやという。
 産子、這子に至るまで、この外郎の御評判、御存じないとは申されまいまいつぶり、角出せ、棒出せ、ぼうぼうまゆに、臼、杵、すりばち、ばちば ちぐわらぐわらぐわらと、羽目をはずして今日お出のいずれも様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、東方世界の薬の元〆、薬師如来も照覧あれとほほ敬って、ういろうはいらっしゃりませぬか。



にほんごであそぼふぁんさいと

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