智恵子は 東京に空が無いといふ 「あどけない話」高村光太郎
1883〜1956。東京・下谷出身。 父親は、彫刻家高村光雲。父の影響と、日本画を学んでいた姉の影響を受け、幼いころより美術に親しんでいたようです。アメリカ、ロンドン、パリと遊学し、芸術を生み出す決意をするも、帰国後、封建的社会の桎梏に疲れ、デカダンスに身を委ねるようになります。そんな中で、この「にほんごであそぼ」でも取り上げられた「あどけない話」(智恵子抄より)の智恵子と出会う。(りかちゃんとコニちゃんの「いやなんです」も智恵子抄)この時期、同じく「にほんごであそぼ」で取り上げられた「道程」を刊行。その後、智恵子の精神異常で、悲劇の時期を迎えます。智恵子への想いは「智恵子抄」に集約。昭和三十一年、七十三歳で死去。 ●主な作品 「道程」「智恵子抄」「暗愚小伝」「典型」
智恵子を詠んだ詩二十八編、短歌六首、散文三編。 番組で取り上げられたものは「あどけない話」。 ちなみに智恵子は福島、安達出身です。 智恵子は東京に空が無いという ほんとの空が見たいという 私は驚いて空を見る 桜若葉の間に在るのは 切っても切れない むかしなじみのきれいな空だ どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ 智恵子は遠くを見ながら言う 阿多多羅山の山の上に 毎日出ている青い空が 智恵子のほんとの空だという あどけない空の話である。
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