寿限無

ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや

わたしがそなたで そなたがわたし
そも わたしとは なんじゃいな

ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや

おもてがござれば うらがござる
かげがござれば ひかりがござる

ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや

ふたりでひとり ひとりでふたり
うそがまことで まことがうそか

ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや
ややこしや ややこしや
ややこしや!


野村萬斎「まちがいの狂言」より

シェークスピアの「間違いの喜劇(The Comedy of Errors)」が原作。
2001年春、世田谷パブリックシアターにて上演。シェークスピアご当地、ロンドングローブ座でも上演されました。
高橋康也氏作、野村萬斎氏演出。

なぜ「ややこしや」なのか(ややこしいあらすじですぞ)

舞台は、室町時代の瀬戸内海沿岸の架空の小国、黒草。
その敵対国、白草の国の商人、直介(野村万作氏演ずる。「にほんごであそぼ」蝸牛でもおなじみの萬斎氏の父君です)には双子の息子(石田幸雄氏の一人二役)がおりました。同じ頃、隣国で生まれた父親がいない双子(野村萬斎氏の一人二役)を従者として引き取り、一緒に育てていました。
ある日、直介は、妻と二組の双子と共に、旅に出たところ、嵐に巻き込まれ、妻と、息子の双子の兄、従者の双子の兄と生き別れになってしまいます。
成人した直介の弟たちが生き別れた兄に会いたがったため、直介は諸国歴訪の旅に出ます。
5年たったある日、成人となった弟たちは、双子の片割れを探しに、母国白草の国と敵対する、黒草の国に上陸して、そこから物語が展開します。
一人二役という設定と、その国での双子の取り違えという物語の内容、もう、誰が誰だかわかりません。ややこしや。

シェークスピアでは
「間違いの狂言」の白草が元は「シラキュース」というのには少し笑いました。
敵対国の黒草は「エフェサス」。直介が「商人イージオン」。双子の息子たちは「アンティフォラス兄弟」召使いの双子は「ドローミオ兄弟」。
イージオンはやはり航海の途中、船が難破し、生き残ったアンティフォラス弟、ドローミオ弟とシラキュースに帰り三人で暮らしていました。ある日、成人した子どもたちは、双子の片割れを探しに旅立っていきました。しかし、その後、何年も音沙汰がありません。そこでイージオンも、息子たちを探し求めて、エフェサスにやってきたのでした。
兄たちは、「エフェサス」で成功し、それぞれ結婚もしていました。
ところがそこへ弟たちが現れたのですから、さあ大変。町は大混乱となります。
敵国にたどり着いた父親は処刑されそうになるし、妻さえ主人を間違えたり。
……と、同じ内容ですね。

ややこしやとは
同じ顔、同じ名前。周囲の人たちや、妻でさえ見分けがつかない双子たち。そんな中で、自分が自分であることを証明することの難しさ。それが「ややこしや」なのかな。

ややこし隊
この公演では、開演前に、会場に、面をつけて、黒い布をかぶった人たち(テレビで見る、あの人たちなんでしょうね)が、うろうろしているそうなんです。話しかけても「ややこしや」しか言わないらしいです。ああ、会ってみたいな、ややこし隊。

にほんごであそぼふぁんさいと

Copyright 2003 V3 All rights reserved