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《雑記帳8月》

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8月8日 著作権とかナントカ

 以前書いた「違法コピーユーザー=ストーカー」っていう図式がさっぱり分からないっていう意見を頂き、ちょっとだけ修正してみる…が、あんま修正する個所が思い付かなくて困る(汗
 ええと、

 ストーカー > 愛情からストーキングで対象に打撃 > 愛する人
 違法コピーユーザー > 愛情から違法コピーで対象に打撃 > 気に入ったゲーム

 という上の図式でどうでしょうか? どっちも好きになった対象を傷つける、まっとうじゃない愛情表現ってことで同じだといいたいわけです。はい。
 好きじゃないゲームを叩き売ったり、コピーしてばらまくのなら理解できるが、気に入ったゲームにそれをやるのは変だろう、とそういう話です。

 ついでだから、ちょうど(といっても3日前だけど)毎日新聞の記者が朝日の天声慎吾人語を盗用していた、なんてニュースもあった事だし、著作権云々についての自分の見解をもう一度書いてみようかと思ったり。
 例によって、法だの倫理がどうこうではなく、個人的なモノである。

 同じ著作権がらみの話だけど、「違法コピーや中古販売」と「盗作」というのは全然違う問題であるのは言うまでもない。
 盗作が何故悪いか、ていうのが日本人には非常に分かりづらい問題だというのは昔っから何度も言われ続けてきた事だ。
 知識は活かしてナンボ、それを発明した人間より使いこなした人間の方を日本人は重視する傾向がある。
 アイディアやトリックが盗作だからって、「金田一少年の事件簿」が問題になったけど、あっという間にその話題は下火になって、関係無く今でも漫画は売れ続けるし映画だって新作が公開される。
 古臭く、とっつきにくくて人を惹きつけることのできないオリジナルより、現代風にアレンジされた分かりやすいコピーの方が売れるのは当然で、売れたかったらオリジナルもとっつきよくすれば良かったじゃん、自分が市場リサーチ怠けて売れなかったからって文句言うのはお門違いなんじゃないか、ていうのが大方の見解か。
 ただ、今回のコラム盗用っていうのはやった人間が「馬鹿だ」と誰もが言う。
 それはアイディアを活かしたわけじゃなくて、そのまま使っただけの「パクり」だから。
 日本人は技術や知識は活用して発展させていくもの、ていう意識があるからアレンジや組み込みによる発展思考には寛容(どころか好意的だったりする)だけど、なんの発展性も無いただの再利用「パクり」は無意味だとして嫌悪するわけだ。私もパクりは嫌いだ。
 以上、「盗作」「パクり」云々は送り手、技術者、クリエーターサイドでの著作への問題だ。
 受け取り手にはあんまり関係ないんで想像力の無い受け手側オンリーの人間には興味ないでしょうが、なにかを発信しようという人間は考えておくべき事柄でしょう。

 対してコピー、中古販売ていうのはユーザー、受け取り手、いわゆる消費者 サイドからの著作への問題ということになる。受け手オンリーの人にもこれは重要です。
 消費者って言うのはもう、本当に著作を消費しつくして消してしまうだけの人達の事で、技術や知識の発展性なんてモノのことは考えない…なんていうことじゃなくて、自分の財貨を消費する人間のことである。
 最近は混同する向きが多いようで、自分はまっとうな消費者だ、これは「消費者の声」だといってメーカーやクリエイターにいけしゃあしゃあとクレームを伝える「著作消費者」がいて、その分かりやすい例が中古購入者や違法コピーユーザーである。
 メーカーが消費者に対応するのは仕事であって、仕事をするのは賃金が目的である。その賃金の出所はメーカーに財貨を落としてくれる消費者である。
 この流れを単純化すると、消費者はメーカーの雇い手で、メーカーは消費者の為に働いて賃金を貰っているということになる。
 根本的には間違っているが、消費者は資本家でメーカーは労働者だ、と思って欲しい。
 メーカーはいい働きをして消費者からいい賃金を貰おうとするし、良い働きをして自分に投資以上の利益をもたらすメーカーに対してなら消費者はそれに見合う賃金を与える。
 これが今の日本での物品購入のシステムだ。
 さて、同様に資本家と労働者に「著作消費者」を当てはめてみよう。
 「著作消費者」は「賃金を与えない資本家」である。
 しかも、労働者の仕事が気に食わないんじゃなくて、気に入って且つ、賃金を払わずに無賃金で働かせるのがこの連中だ。
 資本者の夢は賃金のかからない労働者です、てことを実践してるといえば聞こえが良いが、それってふんぞり返ってまるまると太った乞食と何が違うというのだろう。
 へ? 賢い人間が能力を活かして上手く立ち回ってるだけだって? どこが!
 違法なCD-R焼くのにどんな能力、賢さが必要だというのだ。<答え:厚顔無恥
 それってすんげえ恥ずかしい事だということに気づかないかなぁ。
 自分が賢い事やってると思ってるなら、せめてバレないようにこっそりやってなさい。
 少なくとも誇らしげに言ったり日常会話に出す事ではない、つーの。
 イベントで初対面の人間に嬉しそうに「焼いてあげようか?」なんて、馬鹿丸出しだっつーの。
 相手が警察官だって事もあるんだよ。ちょっとくらい想像力働かせろ。

 今回の結論。
・「送り手」でありたいなら「アレンジ」はいいが「パクり」は駄目。
・「消費者」とは財貨を消費する人間の事であって、金も払わずに著作を消費する人間の事ではない。
・著作消費者は自分を消費者だなんていうな! お前らは厚顔無恥でふんぞり返った乞食に過ぎない。乞食なら乞食らしくちょっとは申し分けなさそうにしていやがれ!!


8月9日 夢を描くモノ

 手塚一郎という作家が著作の中で作り出した「ドリームぺインター」という天使がいる。
 まぁ、本当は堕天使なのだが、そんなことはおいておこう。
 そいつは、ある日突然人々の目の前に降り立って、望む夢を見せる事で信仰を勝ち取っていく。
 どんな夢かっていうと、もう、本当にそいつが望む夢で、むしゃくしゃしてる奴にはこの上ない安らぎを。
 平々凡々としてるやつには体験した事の無いようなスリルと興奮を!
 ともかく、その夢を見て目覚めたときはすがすがしい気分で、生きる活力が湧いてくるって言う代物だった。
 みんな夢を見る事を、ドリームぺインターに供物を捧げる事を目的に精いっぱい働いた。
 働いたストレスは夢で発散され、人々はより一層のやる気を持って働き出す。
 都市には活気が満ち溢れ、皆不満が夢で解消されるので争いなんか起こりようも無い。
 すげえな、理想の世界だよこれ!
 …と思ったのもつかの間、そのうち、夢から帰って来なくなる人間達が現れた。
 だって、夢に出てくる理想の異性に比べれば現実のそれなんて月とスッポン、向こうは足腰立たなくなるほどイカせてくれるってのに、こっちの恋人は早すぎる(ま、お下品)!
 朝の目覚めの度の夢の君との別れが辛くて辛くて…
「ずっとあなたと居たいの。別れたくないの」
 夢の中でそんなことを言ってしまったのが運の尽き。
 ドリームぺインターの紡ぐ夢は理想の夢だ。眠るそいつの望みはなんでも適う。
 結果、どうなったか?
 幸せな夢を見ながら二度と目覚めることなく、恍惚とした表情で腰をくねらせながら衰弱して干からびて死んでいく連中続出ってわけだ!
 ドリームぺインターはそれを哀しんで地下にお隠れになってしまわれ、しばらく後に悪魔と対決し、敗れたという。

e  ブギーポップ・ミッシング「ペパーミントの魔術師」読了。
 テーマがどうこう、構成がどうこう、以前に文体が好きなんだなーというのを再確認。
 昔のソノラマというかなんというか、ジュブナイルの文体。
 で、内容ですが…、以前に書いた夢の話についてまたちょっと書きたくなっちゃったかな、と。
#…とと、そういえばKanonが夢から醒めない物語だったっていうのは源内さんの考察を読んで誤読だと気づきました。すいません>Key

 「ONE」も「Kanon」も結局のところ、幸せな夢をプレイヤーに見せ、最期には主人公が夢から醒める物語だったわけだが、現実に回帰したところで話は終わってしまう。
 「鈴がうたう日」(すずシナリオ)は一夏の夢の物語だったが、それが醒めた後に主人公は夢を現実にするために奮闘し、それを適える。

 「ONE」「Kanon」では主人公の夢を醒ますためにプレイヤーはフラグを立てていく。
 辿り着く先はイタい現実なのだが、失敗すれば幸せだがずっと夢の中。
 でも、イタい現実には一つの救いが待っている。

 「鈴うた」では、フラグのある無しに関わらず夢は醒める。
 フラグの立て方でそれがどうでもよい夢でなく、いい夢だったとき、主人公はその夢の喪失感から次の行動を行う。
 喪われた夢を探して現実を発見し、その中に新しい夢を見つけそれを適える為に現実を生きる。
 やがて現実の中で夢は適う。
 そして叶った夢というのはもう現実であって、醒めてしまう夢ではない。だけどそれはやっぱり夢なんだ。

「何もキミだけが、幻想の世界に生きているんじゃない」
「誰だってそうなんだよ」
「すべてが現実なんだよ」
「物語はフィクションじゃない。現実なんだよ」


 「ペパーミントの魔術師」は皆を「夢」から醒ましたかった。
 だけど「魔術師」には「夢」を見せる事でしかアプローチできなかった。
 哀しい論理矛盾。

#それは何かを伝えたい劇作家の苦悩か。

 魔術師の目的がただ皆に幸せな「夢」を見せることであったのなら…
 彼は涙を流す事もなく、イマジネーターと同じくただ「世界の敵」であり、「ドリームぺインター」と同じ結末を迎えていただろう。

#ぜんぜんまとまってないね。でも…、今回の雑記は、分かる人だけ分かってくれればいいです。

8月10日 Webは広大だわ…(草薙姐さんみたく)

 気がついたら折戸音楽ってば劇伴てな雑記に対して他のところから色々リンクされていた。
Whiteさんとこの日記にそれ系の事が書いてあったのでウチへの反応かと思っていたら(自意識過剰)、別のページへの反応で、そのページから辿ったら自分のとこに辿り着いたのでした(笑)
 や、リンクありがとうございます(急に敬語)。
 その辺から来られたKanon・ONEな方々、はじめまして。ここは漫画の感想ページですが、何故かWeb上最長の部類に入ると思われる「ONE〜輝く季節へ〜」レビュー(ただし作成中)がありますんで、宜しければ見ていって下さいませ(宣伝)。

 で、そのリンクして下さった余所様のサイトを拝見させていただいたところ、YU-NOとONEのシステム部分を関連付けて考えてたりとか、自分と似た角度でモノを見ている人だったんでちょっと嬉しくなる(だって、ONEの構造をそういう風に説明しても分かってくれる人が周りにあんまりいなかったから…)。

 自分が奇麗だと思って見ているものを同じように奇麗だという人に出会うとやっぱり嬉しい。
 逆に、自分が凄いいいな、と思っているものが他人に言ってもその良さが理解してもらえない時はなんか哀しい。

 哀しいんで、幼い頃の雪駄は他人に分かってもらおうと四苦八苦して周囲に向けて自分が好きなものの良さを説明していたもんだが、そのうち世の中には誰にでも楽しめる作品なんてなくて、人にはそれぞれ価値観ていうのがあるのを知る。
 ニュータイプだの、人が分かり合えるだのいうガンダムのアレを実感として理解できたのはこの頃だ。
 そしてもう一つ、価値観以前に、人は同じ物を見ていてもまったく違う場所を見ているんだっていうのも気づいた。
 同じガンダムを見ているのにMSの性能云々しか見ていない人とか、セイラさんしか見ていない人とか、シナリオの整合性を見ている人とか、とにかく、同じ物を見ていても見ているところが人それぞれで全然違う。
 見ている場所が違うのに、面白い、面白くないだけで他人からモノの評価を聞いて、評判が良くて見たけれども自分にとってはさっぱりだったり、またはその逆って場合が往々にしてあるわけだ。
 人が分かり合えないという状況には、価値観が違う、ていうのもあるけれど、価値観が同じでも見ている場所が違う、ていうのもあるわけだな。
「ONE〜輝く季節へ〜」前半説がプレイヤーに多い、てのは価値観の違いというよりも、単に多くの人間が見るべきところを見れていないてことだろう。見にくいもん、あれ。見方を教えてあげれば前半論者の半数は自説をくら替えするんじゃないでしょうかね。

 価値観は大概の場合どうしようもないけれど、自分にとって美味しく見える場所を教えてあげれば、相手にそのモノの良さを気づいてもらう事はできるかもしれない。
 そんな流れで、ウチでやっている漫画レビューには客観評価と主観評価の二つの評価点が存在している。
 客観評価、ていうのは単純に、大概の人が普段見る視点から見た時の評価。
 分かりやすくいうと、客観評価が高い作品は人を選ばず、他人に薦めている作品てことになる。
 主観評価、てのはそのまんま雪駄の視点からの評価。
 本当は雪駄が見た視点をいちいち説明すれば主観評価だけでいいんだけど、面倒だし、わかりにくいだろうからそうしているわけだな。
 まぁ、俺は好きだけど大抵の人にはわけわからんだろう、とかいうためにそうしてるって思ってもらっても間違いじゃないけど。

追伸:
「ONE〜輝く季節へ〜」が「別れと再会」の物語だっていう意見の出所の一つは設定原画集に収録されてる企画書にそうかいてるってとこだと思います、はい。
8月11日 鈴とたい焼き

 「鈴がうたう日」と「Kanon」の比較検証を他力本願で幾つかの掲示板でリクエストしてみるが、色よい返事は無し。
 挙げ句に逆にリクエストされる。
#あ、人柱Piaキャロレポートどうもでした。
 すずとKanonの考察って、どう書けばいいか皆、自分の中に持ってるくせにやらないんだもんなー(自分含む)。

 うーん、うーん、やっぱ自分でやるか?
 でも再プレイが気力と時間的に辛いんで、やるとしたらば「すず」と「あゆ」の比較で、鈴うたとKanonの比較にはならないだろうと思われる。
 …て、そのためには「あゆ」も再プレイしないと駄目か。うーん、うーん、テキスト吸い出すか?
 さっき更新した氷上シュン考察があゆ(と栞)、すずに繋がる部分あったんでその勢いでやっちまおうかなぁ…
 どうせ夏コミも帰省も無いからお盆休みでやってみようかな。

 あ、夏コミといえば、行かれる方、もし余裕あればですが、こちらのCD、買っておいてもらえませんかね。勿論、送料負担しますんで。
 買っといてあげるよ、て方おられましたらメールか掲示板に連絡下さいまし。
 伊奈さんとか渡夢さんとか、行くんでしょ?

 CDといえば、パイオニアからONEのCDが連続してリリースされるそうで。>情報ソース
 Unison、噛んでるのかなぁ…
 ドラマの脚本だれがかいてるのかなぁ、と、ものすごく不安ですがちょっと気になります。


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